リンク工房的独断と偏見で選ぶ歴史マンガ1

横山光輝『史記』(小学館)

  さて、さっそく第1弾ですが、ここはやはり歴史マンガの王道、横山大先生を抜くわけにはまいりません。本当は『チェーザレ』あたりからはいろうかと思ったのですが、いや、やっぱり横山光輝です。

 横山光輝と言えば、最近日経電子版の広告なんかでも三国志が使われてますよねw

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 あれもシュールで好きですが、今回は三国志ではなくあえて『史記』を選びました。それはなぜかと言えば、三国志って面白いのですけど、世界史とか古典ではそれほど出てきませんし、受験に直結する知識とか、あとで役に立つエピソードって案外少ないんですよねw すごく有名なシーンを除けば、あとは三国志好きな人同士でしか通じない話だったりするものが多かったりします。(それでもまぁ、「桃園の誓い」とか、「三顧の礼」とか「泣いて馬謖を斬る」とか「出師の表」とか常識の範囲内のもの挙げるだけで案外キリがありませんがw)

 一方で、『史記』の方は春秋・戦国~前漢期までのいろいろなエピソードが出てくるわけですけれども、故事成語の由来などの古典知識から豆知識まで、とにかく出てくるものが幅広い。大人になって「読んでてよかった…」とそれこそ日経電子の版のキャッチコピーになってしまうような感想を持ってしまうと思います。たとえば、HANDの手元にはやっすいコンビニで売っていたワイド版の史記が数冊あるわけですが、そのうちの1冊をパラパラとめくっただけでも以下のような歴史的事実がずらりと並び、それをイメージづけることができます。

 

・『史記』の作者司馬遷が『史記』を完成させるまで

(宮刑になったりとかね…。子どもの頃ホンマに怖かったわ、宮刑。価値観変わったw)

・封禅の儀式とは何か

・前漢初期の匈奴対策と武帝期の遠征

・管仲と鮑叔(管鮑の交わり)

・春秋五覇(斉の桓公、晋の文公[重耳]など)

・屍に鞭打つ(伍子胥と平王)

・日暮れて道遠し

・倒行逆施

・臥薪嘗胆(呉王夫差と越王句践)

 

まぁ、ざっとこんな感じです。結局、古典とか漢文を「勉強してもなかなか話の内容がわからない」という人と「勉強しなくても何となく話の内容はわかる」という人の差というのは、もちろん才能云々もあるのかもしれませんが、結局は小さいころからこの手の話にマンガでも小説でも映画やドラマでも、または小さいころに買い与えられた「ことわざ辞典」的なものでも、触れているかどうかというのが大きい気がします。勉強って、真面目に座学したり演習するだけが勉強ではなくて生活すべてで学ぶものである気がしますねぇ。はじめから話の内容知っていれば解けるのは当たり前ですもんねw

 

 私もどちらかと言えば古典や漢文は勉強した記憶がありませんが、話の内容はなぜかスムーズにわかりました。逆に、「勉強」が必要な単語だけを抜き出して意味を聞くとか、文法の内容を答えるとかは真面目に勉強しだすまではめちゃくちゃ苦手でした。でも、文章の大意はとれる。そうすると、そちらの方が配点が高いから、そこそこ点数になったりするんですよねw すごく得した気分でした。でも、じゃあこの手のマンガとかを読めば点数になるんですか、と言えばそれは正直わかりません。だって、はじめからテストの点数が目的で読んでいるんじゃなくて、「面白い」から読んでたんですもの。たくさんのことが書いてありますが、その全てがテスト向けの知識じゃなくて、それこそくだらない豆知識みたいなものもたくさんありますから。知識や教養を身につけるって、きっとそういうたくさんの無駄の集積の上にあるもので、狩りをするように効率を追い求める先にあるものじゃない気がします。もっとも、マンガだけ読んでたわけでもありませんがw

 

 いずれにしても、史記はおすすめです。学校の図書館に『ブッダ』を置くのであれば(『ブッダ』も名作ですがw)、むしろ『史記』を置くべきだと思いますw それだけで平均点は3点から5点伸びる!(かもしれないw)

 難点をあげるのであれば、現代のきらびやかな絵のマンガに慣れ切った子どもたちにとって、横山光輝の絵柄は「なめてんのか」って気分になる可能性があるところですかねw それでも、たくさんの「ムムム」に免じて「それも味だよね」と思えば新たな世界が広がるかもしれませんw 少なくとも「バガボンド」(好きだけど)読むよりははるかに役に立つはずw

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