先日、Slave Voyagesをご紹介したのですが、なかなか素人でも気軽に扱えるデータベースって見つからなくて、探していたんですね。日本のものもあるんですけど、どちらかというと研究者が使うことを想定したもので、中学、高校生が気軽に触れるにはちょっと敷居が高いものばかりで。Slave Voyagesもそういう意味では決して敷居は低くない(そもそも英語サイトだし)のですが、それでもちょっとした使い方さえ分かればそれなりに遊べはするんです。

で、何かないかなーと思っていた矢先、先日参加した西洋史の研究会で、アーカイブズを専門にされている大学院生が紹介してくれたのがこのEuropeanaです。

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https://www.europeana.eu/en)
といっても、私が「紹介して!」と出会い厨みたいに言ったわけではなくて、話の流れの中で自然に登場してきたものを確認してみたら…「…ん?‥むむむ?これ、使えるじゃん!」となったのですが、大陸系ヨーロッパw(すみません、私どうしてもイギリスが専門なので微妙に大陸と断絶しててw)の若手の研究者の方ではわりと知られているサイトらしく、3000を超す様々な研究機関が、文化遺産の保護と紹介のために協力してつくったEUのデジタルプラットフォームらしいです。British Libraryやルーブル美術館といった有名どころから、EU加盟国における地域の文書館や美術館・博物館までが含まれていて、これを使うと収録されているコレクションから、先史時代から現代まで、あらゆる時代の生の史資料を探索することができます。やべぇw

 試しに、自分の専門なのでイギリスの議会史や宗教史に関する何かを探してみようということで、スコットランドのプレスビテリアンを検索してみました。そしたらこんな感じで色々出てきます。

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画面の左上には検索条件の絞り込みもあって、文書が欲しいとか、写真が欲しいとか、時代はいつ頃とか、いろいろな条件をつけて検索することも可能です。なんだ、これ。もっと早く用意しろよw 何といってもすごいのは、ビデオ映像や音までコレクションの中にあるってことですよね。たとえば、以下の動画は、Europeanaで、以前東大1993年世界史過去問解説の中でご紹介したヨーロッパ=ピクニックを検索して出てきたものです。

 

https://www.europeana.eu/en/item/2051943/data_euscreenXL_EUS_2D093A8538BB47CB8FFDD49954193B19

 

文字しか出てこないサイトと比べると、写真や図像史料がたくさんあるサイトなので、研究者以外の人がちょっとした興味に基づいて調べてみたいなぁと思った場合でもわりに使える気がします。個人的にはホガース(William Hogarth)の作品をじっくり眺めてみたいですね。わりと楽しめそう。

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Europeanaについてより専門的な内容をお知りになりたい場合には以下のサイトに詳しく書かれていました。(私も拝見いたしました。)

https://current.ndl.go.jp/ca1863