『史記』と「日経電子の版」をネタにしたいがために始めたこのコーナーですが、時間と労力がかかる&ないのでほったらかしにしてました。すみませんw

ネタは色々あるのですが、今回は長谷川哲也『ナポレオン~獅子の時代』『ナポレオン~覇道進撃』をご紹介したいと思います。こちら、2種類あって分かりにくいのですが、最初に出たのが「獅子の時代」で、続く新章として「覇道進撃」へと続いています。「獅子の時代」が15巻まであるので、「覇道進撃」の1巻が実質的な16巻ですね。ちなみに、「覇道進撃」の方は21巻まで出ています。当然、我が家には全巻完備されていますw

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 わたしがナポレオンについて教える時によく言うことに「ナポレオンはサブカルを利用せよ」ということがあります。ナポレオンとそれを取り巻く出来事は非常に入り組んでいて複雑です。にもかかわらず、世界史の教科書に載っている内容はあまりにも表面的なことしか出てきませんし、逆にナポレオンのエピソード的な部分も非常に断片的なものしか紹介することができず、ナポレオンの魅力や当時の世界の複雑さ・面白さを十分に伝えてくれるものではありません。たとえて言うなら、織田信長について教科書には「桶狭間の戦い/長篠の戦い/本能寺の変」しかでてこないし、先生は「信長は湯漬けを食うのが好きだったそうですが、先生はお茶漬けならシャケが好きです」くらいしか話してくれないのに、信長を理解し、魅力を感じろというのは無理な話なのです。
 ですが、日本史の方ではかなり多くの場面で映画・マンガ・ドラマ作品に触れる機会があります。本能寺の変なんぞ、何回映像化されているか分かりませんし、信長にいたっては犬にまでなる始末です。ちなみに大好きですw

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 © 目黒川うな『織田シナモン信長』

 

  ですから、日本史の方はイメージしやすいのですが、世界史の方はそうもいきません。特にナポレオンの時代というのは政治権力の移行が激しい時期でもあるので、どうしてもイメージがわきにくいのです。そうした理由から、ナポレオンをイメージするには一度はサブカル作品に触れることが一番なのですが、ナポレオンを取り巻く一人一人のキャラクターや出来事をがっつりと描いた作品というのはあまりないのですね。こちらも、ダイジェスト版やどこか一部分を切り抜いた作品で、一つ一つは優れたものも多いのですが、一人の男の人生を描き切るに足る分量を持つかと言われると「う~ん」となってしまいます。そうした中で、長谷川哲也版『ナポレオン』は「読みごたえ」という部分ではばっちりですw ただ、思い切りフィクションであることは理解して読む必要があります。それでも、ナポレオンを取り巻く軍人たちや政治家たちを少しでも知りたいと思うのであればきっとその欲求を満たしてくれると思いますし、ナポレオンの「傲慢でありながらも情けない」その魅力は十分に伝わってきます。このあたり、映画「ワーテルロー」でロッド=スタガーが演じた何とも言えないナポレオンの味と相通じるところを感じます。

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© セルゲイ=ボンダルチュク『ワーテルロー』(1970

 

多くのナポレオン作品に共通することでもありますが、タレイランの素敵さを感じることができるというのも良いですねw 

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© 長谷川哲也『ナポレオン~覇道進撃~』

 

ナポレオンについてよく知ってみたいのだけれども、入り口がいまいちわかんないという人にはお勧めしたい作品です。 どうしても絵面的に少年誌向けなのかなぁとも思いますが、ジェンダーフリーの唱えられる昨今であればどんまい光線な気もします。