ビザンツ帝国については、どうも情報をまとめにくいと感じている人が多いようで、正誤問題などで細かいところが出題されると対応できないというケースもあるようです。ですが、ビザンツ帝国は実はたいして情報量の多い箇所ではありません。
ユスティニアヌスだけは別格で、ローマ法大全とトリボニアヌスだの、ヴァンダルや東ゴートの征服だの、養蚕業の導入だの、ハギア=ソフィアの建設だのいろいろありますが、それでも秦の始皇帝や前漢武帝と比べればはるかに覚えやすいはずです。また、ユスティニアヌスについては、その事績とともに時期(6世紀)とホスロー1世との抗争をしっかりおさえておくと、ヨコのつながりの理解に役立ちます。ユスティニアヌスだけはあきらめてしっかり覚えておきましょう。
その他については、概ね歴代皇帝ごとにポイントになりそうな部分をまとめてしまえば終わりです。
厳密に言えば、テマ制や屯田兵制が完成を見るのはヘラクレイオスの時ではありませんし、プロノイア制もアレクシオスの時ではありません。ただ、導入の開始時期が「それくらい」であることと、どちらも防衛に深く関連するものであることから、7世紀のイスラームの拡大や11世紀のセルジューク朝の進出と関連付けるとまとまりが良く、覚えやすいと思います。
以上のことをおさえておけば、あとはせいぜいギリシア正教布教とキュリロスとか、ブルガリア帝国とか、第4回十字軍とパラエオロゴス朝あたりが絡んでくるくらいですので、ビザンツ帝国メイン雄の設問には十分対処することができます。