世界史リンク工房

大学受験向け世界史情報ブログ

世界史リンク工房管理人のHANDです。各校の過去問対策、受験対策のほか、世界史を理解する上で役に立つ視点や勉強法についての情報を随時更新していきます。また、X(Twitter)やThreadsなどもやっていますのでよかったらフォローミーですw
X(Twitter)→https://twitter.com/HISTORY_LINKAD7
Threads→https://www.threads.net/@hand_history_link_bottega

また、2023年春より、個別指導塾を始めました。オンライン指導もご対応可能です。大学受験世界史のほか、中学受験や中高の補習授業など幅広い分野でご対応できますので、関心のある方はぜひ一度お問い合わせください。
個別指導塾SOLID→https://solid-iics.com/

※ 目標に向けて頑張る受験生の皆さんの一助になればと思って頑張って更新し、情報もチェックしておりますが、人間ですのでミスなどが出ることもあります。当ブログの情報をご利用の際はあくまでも自己責任でお願いいたします。

※ 問題解説では、著作権で怒られても困るので、解説に必要な最小限の問題概要のみを示してあります。あくまでも解答にいたるまでの「考え方」を示すためのものでありますので、過去問の正確な内容については各大学にお問い合わせいただくか、赤本買ってくださいw 問題全てが手元にあった方がわかりやすいと思います。

ヘッダーイラスト:かるぱっちょ様

【難関大】


大陸横断鉄道の開通とスエズ運河の開通は地味に同じ年だったりします。世界の交通にとっては大切な年ですし、また難関私大などで出来事の並べ替え問題など出る際にはわりと良い目印になる出来事だったりするので、周辺の出来事を確認しておくと便利です。

 

大陸横断鉄道については、何と言っても南北戦争(1861-1865)終了後ということをきっちり把握しておくと良いですね。南北戦争終了後は南北の経済圏の統一により合衆国で第2次産業革命が本格化するとか、大陸横断鉄道開通で西部開拓がさらに促進されてフロンティアが消滅(1890)するという流れと結びつけておくと把握もスムーズです。

南北戦争(1861-1865)自体も、その前後の把握(前については「合衆国の発展(領土拡大)」の時期、後については「合衆国の工業化進展 / 独占資本の形成」)や、メキシコ出兵の終結(1867)など、結びつけやすい事象が多くあるので把握すべき出来事ですね。

 

一方のスエズ運河開通については、やはりイギリスによるエジプトの植民地化の流れの中に組み込んでおくべきでしょう。

1869年 スエズ運河開通(レセップス[]

1875年 英のスエズ運河会社株買収(ディズレーリ内閣)

1881-1882年 ウラービー革命(の反乱)→事実上の保護国化

        (また、同時期よりスーダンでマフディーの乱開始[1881-1899]

これだけでも役に立ちますが、エジプトについてはできればもう少し伸ばして、1914年の「英によるエジプトの正式な保護国化」や、第一次世界大戦後の民族運動(1919年のワフド党の運動など)あたりまで把握しておくといろいろと便利です。

また、英のスエズ運河会社株買収(1875年)は、エジプトの財政状況悪化が原因ですが、その背景には南北戦争による綿花国際価格の乱高下がありました。これについては近年、問題としても見かけるようになった気がしますので、そういう意味でも上記事項の時期的な把握はしておくにこしたことはないように思います。年号についてはどこか一つだけ把握しておいて、その前後をストーリーでつないで把握するというのもアリですね。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

【定期考査】

 

中国の官吏任用制は導入時期とセットでおさえておくと実際の問題を解くときに対応しやすくなります。

 

郷挙里選‐前漢(武帝)

九品中正法‐魏

科挙(選挙)‐隋

 

もちろん、官吏任用制に関してはたとえばそれぞれの制度の内容の違いや、九品中正法が門閥貴族を生み出す結果につながったこと(cf.「上品に寒門なく、下品に勢族なし」)や、「科挙」という名称が定着するのは唐の時代で隋のころは官吏任用を意味する「選挙」の語で呼ばれたことなど、細かい関連事項もあるのですが、これらのことをしっかり把握するには、意外に諸制度ならびに当時の社会に対する深い理解が必要になることが多いのです。そのため、関連事項まで出題するとなると事前の解説や問題自体が難しくなりすぎてしまいがちで、出題する側からすると出しにくく扱いにくい気がします。(難関校では出題されると思います。また、事前の授業がしっかりできている場合or受験者の側に深い理解を問いたい場合には少し突っ込んだ設問を作ることも可能だと思います。)

一方、「前漢から始まった官吏任用制はなんですか」、「隋で実質的に開始されたといわれる官吏任用制はなんですか」といった出題は一問一答的で出題しやすいですし、ある程度の正答率を期待することができます。(設問としての質が良いかどうかは置いておいて。) また、正誤問題などでも時期と名称をずらせば良いだけなので使いやすいですね。

 

基本的には隋の頃までの官吏任用制について、特に「郷挙里選・九品中正法(九品官人法)・科挙(選挙)がどの時代に導入されたか」が出題されることが多いのですが、これよりやや頻度が落ちる&出題の文脈が異なるものの、確認しておいた方が良い官吏任用制関連の知識には以下のようなものがあります。

 

・殿試‐北宋(趙匡胤:太祖)の頃に導入された皇帝による直接試問

・科挙の停止‐元の時代(モンゴル人優位の支配体制下で停止、14世紀初めに復活)

・科挙の廃止‐清末の光緒新政の中で廃止(1905

 

これらのうちですと北宋の殿試と趙匡胤の名前は比較的よく出題される気がします。


また、単純に中国の官吏任用制自体に限ると上に書いたものが最低限おさえるべき知識になるのですが、これらの官吏任用制は当時の社会階層の形成(ex. 門閥貴族、士大夫など)や、文化の形成と変遷(ex. 六朝文化、唐代の古文復興運動など)、政治的動向(ex. 前漢武帝期の儒学の官学化、董仲舒、北宋の文治主義など)、海外への影響(朝鮮やベトナムへの導入、ヨーロッパ啓蒙思想家への影響など)など、非常に広い範囲に関連付けられるテーマでもあります。こうした広がりまで把握できているのであれば、かなり世界史に対する理解は深まっていると思います。たとえば、東京大学の2000年大論述などはこのあたりの関連事項の把握が進んでいると取り組みやすいものになりますね。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

実は2023年の春から個別指導塾を始めました。個別指導塾SOLIDと言います。

ロゴマーク_ヨコ_2_png - コピー
集団指導もありますが、基本は教室独占の個別指導がウリです。大学受験向けの世界史が一番のおすすめ(多分w)ですが、中学受験指導も得意です。中・高の補習もやってます。最近は世界史の問題解く時間と2次関数解く時間がほぼ同じになってきた気がしますw

大学受験に向けて世界史の苦手単元を復習しておきたい方、論述対策や問題演習を指導を受けながら進めたい方、高1~高2で早めに受験向けの対策を積み重ねておきたい方など、世界史関係でご相談のある方はぜひ一度HP(https://solid-iics.com/)の「お問い合わせ」よりご連絡ください。遠方で難しい方のためにオンライン指導も受け付けています。

あ、もし周辺に中学受験をお考えの方や日々の学習に+αを加えたいとお考えの方などいらっしゃいましたらぜひ当塾をご紹介くださいw

塾に来てくれる生徒さんの数も増えてきて、夏もそれなりに忙しく過ごしていますが、それぞれの目標を達成できるように頑張っていきたいと思います。みなさまも実りのある夏をお過ごしください。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ