【共通テスト】
世界史において、中国史の中でも秦・漢帝国は頻出の単元です。なかでも、始皇帝や前漢の武帝などについてはよく勉強をしてその政策の中身まで覚えていらっしゃる受験生の方も多いのではないかと思います。(本コーナーでも以前ご紹介いたしました。)
一方で、秦・前漢・後漢はいつ頃に存在した王朝だったのかをしっかり把握している方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。ある国がいつ頃存在していて、それが別の地域ではいつ頃にあたるのかを把握するのは意外に大変です。もちろん、重要な出来事の年号を覚えるという形でも把握はできるのですが、前漢と後漢については紀元をはさんでざっと200年前までが前漢、200年後までが後漢と把握しておくと便利です。すると、秦は前漢の前なので前3世紀ごろが始皇帝の時代となるわけですね。
ちなみに、前漢・後漢の正確な年代は、その途中に成立した新も含めると以下のようになります。
・前漢:前202-後8
・新:後8-後23
・後漢:後25-220
もちろん、正確には前漢は前3世紀の末から後1世紀までですし、後漢も後3世紀まで続くのですが、だいたいのイメージとしてはこんな感じなんですね。
これが把握できると、横のつながりの確認が容易になります。たとえば、ローマ帝国もちょうど紀元をはさんで共和政と帝政が変化する頃ですし、帝政に入って200年ほどはパクス=ロマーナの時代が続きます。逆に言えば、200年たつとパクス=ロマーナは終わる(=軍人皇帝時代に入る)ので、「前漢の頃=ローマは共和政の末期」、「後漢の頃=ローマはパクス=ロマーナ」、「三国時代=ローマは軍人皇帝時代」のように把握することができます。案外便利ですよ。