【定期考査~難関大】


古代のゲルマン人社会を知ることができる史料としてカエサルが書いた『ガリア戦記』とタキトゥスの『ゲルマニア』が紹介されることがあります。これらをテストで点数がとれる知識、特に難関大の受験本番で点数にできる知識にするためには、著者名だけでなく時期で判断ができるようにする必要があります。

カエサルは第1回三頭政治でも知られるローマ共和政末期の政治家です。オクタウィアヌスのちょっと前の人なので、活躍していた時期は紀元前1世紀半ばごろ。対して、タキトゥスは紀元1世紀末にコンスルも務めた政治家・歴史家で、その著書『年代記』、『同時代史』ではオクタウィアヌス以降の歴代皇帝統治下の歴史を書いたローマ前期帝政期(元首政期)の人物です。

比較的難しい設問では、リード文の中で時期などが特定できる文章を交えながら、「ゲルマン人社会を描いた( 空欄 )などは…」と著者名を出すことなく『ガリア戦記』か『ゲルマニア』かを特定させる出題が出されることがありますので、単に著者名と著作名を覚えた一問一答的知識では解けないことがあります。そのため、

 

『ガリア戦記』‐カエサル‐前1世紀‐ローマ共和政末期

『ゲルマニア』‐タキトゥス‐後1世紀‐ローマ帝政期

 

という区別をしっかりつけておく方が良いと思います。