【難関大】

・海の民の活動が活発になるのが前13世紀末~前12世紀ごろ

=その前後の時代を整理する重要な指標となる

 

:海の民の活動によってエジプト新王国やヒッタイトが衰退することはよく知られています。それまでのエジプト新王国やヒッタイトは、シリアやパレスティナ地域を前線として勢力を争っていました。(cf. カデシュの戦い[BC1286]

 海の民が侵入したことによってこれらの地域からエジプトやヒッタイトの勢力が後退した結果、いわゆるセム系3民族(アラム人、フェニキア人、ヘブライ人)の活動が活発化していきます。これらのことをおさえれば、13世紀以前が「エジプト/ヒッタイト/ミタンニ/カッシート」の分立時代、前12世紀以降が「アラム人/フェニキア人/ヘブライ人」の活躍した時代であると整理しやすくなります。早稲田大学など、一部の難関私大では古代オリエントの民族の興亡やその整序が出題されることが多いですが、海の民の活躍した時期は覚えにくい古代オリエントの諸民族の興亡を整理する重要な目印として活用できます。

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上記が前13世紀頃のオリエント世界の様子です。青い矢印は海の民の進出の様子ですね。適当に作ったので多少図がアバウトなのは勘弁してくださいw ヒッタイト・ミタンニ・カッシートのように複数あって位置関係が覚えにくい場合は、覚える順序を「自分ルール」化して、常に一定の順番にしておくと良いですよ。

海の民が進出すると、シリア・パレスティナからヒッタイト・エジプト両勢力が後退してセム系3民族(アラム人[内陸交易/拠点:ダマスクス]、フェニキア人[海上交易/拠点:シドン・ティルス]、ヘブライ人[一神教の形成:拠点イェルサレム]が活動を活発化させていきます。