【共通テスト~難関大】
なぜか最近出題頻度が高まってきているのが
「清明上河図」です。(実際にはもっと横に長いので、画面に表示されているのはその一部です。)

seimei
(Wikipedia「清明上河図」より)
これは、北宋の都、開封の様子を描いたもので、開封の内外のにぎわう様子が事細かに描かれています。イメージがわきにくい場合には北宋版の洛中洛外図屏風みたいなものと考えるとすっきりします。(もっとも、洛中洛外図屛風の方が後ですが。)

 この絵が不思議と最近よく出ます。近年もセンター試験の方で出題された記憶がありますね。一つのポイントとして、北宋の都開封は運河の結節点に位置した商業都市であったという点を確認しておくと良いかと思います。国際的ではあったものの、多分に政治的な計画都市であった唐の長安とは違い、北宋の都開封は商業都市としての側面が色濃く出ていました。(たとえば、長安は市の場所も、営業時間も決められていて深夜営業などはできないのに対し、開封においてはかなり自由に商売が行えるようになっており、夜間の営業も可能でした。) 北宋時代は商業的な発展が見られた(もっとも、国内と江南の沿岸地域において)時代でもあり、草市や鎮といった地方都市の発展が見られたのもこの時期です。宋の時代に形成された中国国内の商業ネットワークは、元の時代に入って国際的な通商のネットワークと連結されていきます。

 さて、そんなわけで、「清明上河図」はよく出ます。関連する知識として、以下のことをおさえておくとよいでしょう。

 

(関連知識)

・「清明上河図」=北宋の開封の様子を描いた絵

・作者は張択端(ちょうたくたん)

・開封の繁栄を伝える作品としては、他に『東京夢華録』

:南宋の孟元老による、開封の繁栄を伝えた回顧録。

 

だいたい、大学受験の問題というのは使い古されてみんなが解けるようになってくると、少し変化球にして、その周辺の少し細かい知識の方を問うようになってくることが多いので、もしかするとそろそろ張択端だの、東京夢華録だのが中国史好きの難関大あたりでは出てきたりするかもしれませんね。