【定期考査/共通テスト】
冷戦下に生み出された数多い分断国家ですが、特にベトナムなどの場合、ベトナム国やベトナム共和国やベトナム民主共和国や最後にはベトナム社会主義共和国なども登場してどれがどれやらわからんバオ=ダイとなってしまうようです。普段はわかっていても、いざ試験中となると焦って混乱してしまうこともあるのですが、高校世界史に出てくる範囲でということであれば、「民主」とつく方が社会主義国と理解しておけば、混乱を防ぐことができるかと思います。
[ドイツ]
・ドイツ民主共和国(東ドイツ)
・ドイツ連邦共和国(西ドイツ)
[朝鮮半島]
・朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)
・大韓民国
[ベトナム]
・ベトナム民主共和国(北ベトナム)
・ベトナム国 /
ベトナム共和国(南ベトナム)
ベトナムについては、阮朝最後の皇帝バオ=ダイが国家元首であった方がベトナム国、大統領制をとった(共和政である)継承国家がベトナム共和国と把握すればこちらの区別もつきますし、ベトナム戦争後に南北を統一したベトナム社会主義共和国は、ばっちり「社会主義」ゆーとりますから問題ないですね。
コメント
コメント一覧 (4)
スルタン=カリフ制は虚構であるという説があるらしく、あまり東大入試の大論述で使わない方が良いのでしょうか。。
こんにちは。
スルタン=カリフ制が「虚構」であるというのは、「マムルーク朝を滅ぼした時(1517)にオスマン帝国のスルタンがカリフの位を兼ねた事実はない(少なくとも、史料上は確認されていない)」という意味で「虚構」です。一方で、ロシアの南下などにともなってオスマン帝国スルタンとしての政治的強さや周辺の統治能力が失われていいく時期に、オスマン帝国やその周辺の人々は「オスマン帝国スルタンは実はカリフも兼ねているんだ」という主張を行うことによってカリフの権威を統治に利用して求心力を高めようとしていきます。つまり、実態としては存在しなかった話を捏造したのですが、「オスマン帝国がこの話を利用した」ということ、「実際にこの話に基づいて19世紀からのスルタンがカリフを兼ねた」ということ、「この話が一定の影響力を持ちえた(例:インドのキラーファト運動[ヒラーファト運動]など)」ということなどから、話自体が虚構・捏造であったからといって存在しなかったり、影響力を持たなかったわけではありません。たとえば、「カールの戴冠」や「神聖ローマ帝国の成立」も、ゲルマン人であるカール大帝やオットー1世が「西ローマ帝国の皇帝」の継承者であるというのはある意味「虚構」ですが、意味や影響力を持たなかったわけではないですよね。ですから、「どのような文脈で、どのような意図で用いるか」が問題であって、論述等で「使ってはいけない」ということではないと思います。
文脈や意図という視点の大切さを初めて知りました!ありがとうを何度も言わせてください!
先生、1991東大大論述で、
「オスマン帝国はスルタン=カリフ制を敷いて中央集権体制を敷いた」
と記述するのは大論述の答案としてリスクはあるけれども、
2019東大大論述のような帝国末期に場面で
「オスマン帝国が凋落していく中で、スルタン=カリフ制を唱えることで求心力復活を試みた」
と使うのはアリということですね!
そうですね、それでOKだと思います。