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カテゴリ:早稲田大学「世界史」論述対策 > 早稲田大学法学部「世界史」論述出題傾向

過去問解説の作成をしばらくさぼっておりますが、解いてないわけではありません。(そらそうだ。)今年は東大と一橋と早稲田法と東京外語と上智TEAPあたりは頑張ってそろえよう!と思っています。(あんまりあてにはなりませんが…。)

ところで、今回は早稲田法学部で必ず出題されている大問5の論述問題について、出題傾向分析を行いたいと思います。前回までの分析から5年ほどたちましたので、そろそろいい頃かなと思いましたので。まず、下の表が早稲田の法学部で1996年~2025年にかけて出題された問題テーマの一覧です。
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一応、私が早稲田の推薦とれたにもかかわらず、身の程を知らずに一般でワセ法受験して落っこちた1996年(翌年リベンジしたよ!w)の問題からご用意しましたが、昔のワセ法の論述って設定がかなり雑だったりするので、あくまで参考程度な気がします。字数を除いて試験形式は2009年以降ほぼ統一されているので、私がワセ法を分析するときは2009年以降を主体に考えることが多いですね。論述問題は2009年以降、必ず大問5に設置されています。(それ以前も全て最終問題に設置されています。)また、2009年以降は必ず4語の指定語句が示されています。(2008年以前は年によって指定語句の数が異なります。)
字数については、2004年から2015年までは「200字以上250字以内」という字数指定でしたが、2016年以降は全て「250字以上300字以内」となっています。近年は以前と違って、設問の要求が比較的明確に提示されるようになってきていますが、それでも指定語句がないと設問の意図が正確にくみ取れない部分もありますので、早稲田法学部の論述を解く上ではこの指定語句の分析と整理は極めて重要になります。

【出題テーマについて】
2019年ごろまでは時々あるイレギュラーな問題を除いて、ヨーロッパ近現代史と中国近現代史から出題されていました。特に2010年代にはその傾向が顕著でしたが、その後2020年代に入ると、主要国の歴史からはやや外れたところにあるアジア・アフリカ・アメリカ史などが主に出題されています。今後もこの傾向が続くかは不明ですが、2020年以降はほとんどこうしたアジア・アフリカ・アメリカなどからの出題となっているので、次年度は少し目先が変わって来る可能性も否定できません。ただ、昨年から今年にかけて、地政学上の諸問題が立て続けに発生しているので、そうした時事的な視点にも注意したいところです。特に、中東問題についてはベタなテーマではありますが、早稲田の法学部論述では1999年に一度出たきりですので、少し注意した方が良い気がします。

【出題される時期について】
以下は、早稲田法学部論述がテーマとした時代を一覧表にしたものです。
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こちらを見ると、2010年代までは一部のイレギュラーを除いて圧倒的に近現代史からの出題が多く、また時代的にも比較的短い期間の問題を問われることが多かったことが分かります。特に19世紀~20世紀からの出題が非常に多いです。
一方で、近年はこれまでの傾向に明確な変化が見られます。以前と比べると明らかに、要求される時代のスパンが拡大しています。これは、特に2019年以降の出題で、ある地域や「何らかの関係性における「変遷」・「経緯」を問う問題が増えてきており、その結果として数世紀にわたる長いスパンから解答を作成することを求められることが増えてきているためです。ただし、近現代史からの出題が多いことに変わりはありません。(2022年のトルコ系民族の興亡史[6世紀~10世紀]などは目立っているように見えますが、過去にも古代ローマ史などからの出題など、イレギュラーなものもあることを考えると、「近現代史中心の出題」という全体傾向が変化したとまでは現時点では言えないと思います。)

【対策など】
対策等については、過去にも早稲田大学法学部論述の出題傾向についての記事がありますので、そちらも参考にしてもらえればと思います。ワセ法論述の問題レベルはそう難しいものではありませんが、もし設問を読んで「これは〇〇について聞かれている!」というアンテナが「ピコーン」とはらないとすれば、基本的な知識がまだ不足しています。その場合には、近現代史を中心にしっかり基礎知識を復習するところから始めましょう。
基礎固めが済んだのちは過去問演習を中心に進めるべきです。以前もお話ししましたが、近現代史からの出題が多い分、東大で出題された問題との親和性が比較的高いように思われますので、「早稲田の法学部論述の過去問はあらかた解いてしまって、練習材料がなくなってしまった」ということがもしあれば、その時は東大の論述対策用テキスト(ベタですが、『東大の世界史25カ年』とか、『テーマ別東大世界史論述問題集(駿台受験シリーズ)』など)のうち、近現代史を重点的に練習しておくとよい練習になると思います。
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以下が、2010年から2021年にかけて、早稲田大学法学部大問5の論述問題として出題された問題のテーマ・字数・時期の一覧になります。
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出題傾向等については、過去の出題傾向に関する記事や、各年の過去問解説の方で言及しておりますので、そちらも併せてご覧ください。
前に出題傾向分析を行った時と大きな違いは今のところ見られませんが、気になる点があるとすれば以下の通りです。

 

2019年に珍しく中世をテーマとした設問が出題された

:早稲田では珍しく、この都市は中世をテーマにした設問が出題されました。2010年以降という長いスパンで見れば12年の中で1年だけなので、極めて珍しいと言えますが、過去5年であれば5分の1、過去3年で見れば3分の1ということになりますので、「近現代史以外は決して出ない」とは言えません。以前からあちこちでお話ししている通り、傾向はあくまで傾向であって、絶対にそうなるというものではないので注意が必要です。

 ただし、2019年の問題は中世からの出題ではありましたが、基本的には叙任権などをめぐる聖俗両権の争いという極めて基本的な内容の出題でしたので、過度に気にする必要はないかと思います。

 

2020年の「米墨関係の変遷」は受験生にはややなじみのないテーマであった

:早稲田法学部では、2017年ごろからやや東大チックな、近現代の国際関係を問う出題や、複数の要素を対比し、関係性を問おうとする出題がされ始めていますが、一方でテーマ自体は世界史の王道的テーマが多く、ほとんどの受験生が授業等で深く学習したことがあると思われる設問でしたが、この2020年の問題だけはややそうした傾向とは異質な感じのする出題でした。

 

以上の①・②についてやや気にかかるところではありますが、現状では2019年・2020年の出題がやや浮いている感じがします。全体的な出題傾向については大きな変化はなく、今後も近現代史を中心に国際関係や複数の要素の関係性・変遷を問う設問が出題されると考えて差し支えないのではないでしょうか。

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最近、私大でも論述問題が課せられることが多く、その対策に苦労しているらしい人たちからの相談が多いもので、早稲田の法学部と慶応の経済学部を中心に論述対策を行っています。まぁ、歴史的な知識と理解さえしっかり身につければ、各校ごとの対策というのは出題傾向の確認と練習程度の意味合いしかないのですけれどもw ただ、大学によっては出題傾向を把握してその周辺の歴史に強くなっておくことで、ある程度の耐性をつけることは確かにできると思います。「侮らず、過信せず」程度で考えておくのが良いでしょう。まして、「ヤマをはればイケる!」なんていうのは運任せのギャンブル的な発想ですね。嫌いではないですがw

今回は早稲田法学部の論述問題の紹介と出題傾向の分析、過去問の解説などを行っていきたいと思います。まずは出題傾向なのですが、下の表が早稲田の法学部で過去7年間に出題された問題のテーマです。

早稲田法論述一覧2010-16
 

[形式1]

 過去6年間では必ず大問5に設置されています。2010年から2015年までは一貫して200字以上250字以内という字数指定でしたが、昨年の問題では250字から300字と50字分量が増しましたただ、それも決して大きな変化とは言えず、基本的な形式に変化はありません。

[形式2]

 例年、4語の指定語句が示されています。設問の要求がかなりアバウトなこともありますので、この指定語句がないと論述の方向が定まらないこともあり、早稲田法学部の論述を解く上でこの指定語句の分析と整理は極めて重要になります。

[出題傾向1]

 大きく分けて、ヨーロッパ近現代史と中国近現代史から出題されています。時期的には16世紀以降を意識しておくとよいでしょう。内容も教科書や参考書の中で一大テーマとなるような重要な箇所が多く、あまりマイナーなテーマが出題されることはありません。

      東大のように非常に大きな枠組みを意識しないと解けないような広い視点も必要なく、一橋のように特定の分野についてやや深い歴史的理解や知識が求められることもありません。オーソドックスな問題で、よく言えばシンプル、悪く言えば単純でアバウトな出題になっていると思います。

[出題傾向2]

 あまり言い方は良くありませんが、東大や一橋で出題された問題をやや簡単にしてアレンジしたような出題がされることがあるように感じます。ですから、早稲田の法学部の論述を解いてしまって練習材料がなくなってしまった、ということがもしあれば、その時は東大の論述対策用テキスト(ベタですが、『東大の世界史25カ年』とか、『テーマ別東大世界史論述問題集(駿台受験シリーズ)』など)のうち、近現代史を重点的に練習しておくとよいでしょう。ここ7年の間、近現代史しか出ていないからといってそれ以外の範囲から出題されない保証はありませんが、仮に近現代史以外から出題されたとしても、だれでも一度は聞いたことのあるテーマからの出題になるでしょうから、基本的な知識さえまとめてあれば他の受験生に大きく差をつけられることにはならないのではないかと思います。

 

[解法・その他]

 基本的な解法としては指定語句を参考に関連事項を思い浮かべ、設問が求める解答へ導くために整理するという手順となります。設問に多少の変化が出たとしても、200字から300字程度で経過説明や背景・理由説明、結果・影響説明などを行う設問であると考えれば、特に戸惑う必要はなく、ブレイン・ストーミングからの整理、論述をいつもと同じようにこなせばよいでしょう。ただし、時間配分には注意すること。

内容としては、かつては一国史が多かったのですが、近年は近現代の国際関係を問うものなどが多く、複数の要素の対比や関係性を問おうとする出題者の意図が感じられます。正直、まだ過渡期にあるのではないでしょうか。東大などと比べると「まだ練れていないな」といった印象のある出題ですが、次第に洗練されてきている印象で、どこかでレベルが大きく変化するということもあり得るのかもしれません。早稲田は近年グローバル化への対応を大学全体で打ち出しているので、今後も国際関係史やそれに準ずる内容が出る可能性は高いと思います。

 

出題傾向については以上です。各年の過去問解説については早稲田大学法学部「世界史」論述対策(問題・解説と分析)をご参照ください。
 

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