難関私大などでは意外に唐代の文人に関する出題が出てくることがあります。たとえば、「①初唐・王維、②盛唐・李白、③盛唐・杜甫、④中唐・白楽天」のうち、誤りを一つ選ばせる問題などです。
ですが、一般的に文化史を隅々までしっかり覚えている受験生は少数派です。国語の漢文や文学史などでしっかりおさえている人などはもともと知っている場合もあるのですが、初唐・盛唐・中唐・晩唐の区別や、それぞれの文人たちがどの時代を生きたのかまで整理できているというケースはかなりまれではないでしょうか。
実は、このあたりの整理を比較的容易にすることができる理解の仕方があります。それは、「高校世界史で登場する主要な文人たち(王維・李白・杜甫・白居易・韓愈・柳宗元など)は盛唐と中唐に集中している」というまとめ方です。もっとも、率直に言ってこれはかなり邪道なまとめ方で(笑)、あまり過信するとロクなことにならないかもしれませんが、「正直全く覚えられる気がしない」という場合には知っておいてもよいことかと思います。
一般に、「初唐」は唐の建国期~則天武后の頃まで、「盛唐」は玄宗の頃~安史の乱のあたりまで、「中唐」は安史の乱後~826年ごろまで、「晩唐」は826年~唐滅亡あたりまでと区分けされますが、高校世界史で登場する主要な文人のうち、王維・李白・杜甫は「盛唐」期の人物であり、白居易(白楽天)・韓愈・柳宗元は「中唐」期の人物です。整理すると、以下の表のようになります。
白居易は「長恨歌」の作者ですので、少なくとも安史の乱後だということが分かりますし、韓愈・柳宗元は古文の復興を掲げた唐宋八台家のうちの唐代の2人です。古文復興の主な担い手が門閥貴族に批判的だった科挙官僚たちであることを思い起こせば、韓愈や柳宗元が唐の中期以降の人物だということは自然に理解できます。このあたりを理解できれば、
① 主要な文人が「盛唐」と「中唐」に集中
② このうち白居易・韓愈・柳宗元は後半の方
と整理しておくと、「王維・李白・杜甫=盛唐」、「白居易・韓愈・柳宗元=中唐」とまとめることができます。
もっとも、初唐期や晩唐期の文人が出てくる可能性が完全にゼロとは言い切れません。(たとえば、正誤問題の中に明白な誤りの文が含まれている場合に、高校正解レベルを超えた人物名を含む正しい文章が含まれるなどの形で高校世界史レベルを超えた事実が示されることはあります。) また、国語(漢文や文学史など)では他の文人やその作品などが示されることもあります。2024年の共通テスト「国語」では晩唐期の杜牧による「華清宮」が出題されています。初唐期では駱賓王や王勃、晩唐期では李商隠や杜牧などは国語の分野では目にすることがあるかもしれません。ただ、世界史でこれらの文人の名前を目にすることはまずないかと思います。
こうした留保はつきますが、文化史に自信がない場合には、「王維・李白・杜甫=盛唐」、「白居易・韓愈・柳宗元=中唐」であり、正誤問題などで「初唐」や「晩唐」と書いてある場合には誤文であることを疑ってかかるというのは一つのテクニックとしてはアリではあります。まぁ、一番確実なのは隅々まで覚えることなので、もしこれで間違えたとしても「お前のせいだ!」となじるのは勘弁していただきたいと思いますw







