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東大第3問(小問記述など)の解答または解答に関連する事項のみ一覧にしたものを作成してみました。1988年より以前になると第3問でも小論述が中心になってきてしまい、かえって全体の傾向を把握できないので、今回は1989年~2021年までを対象としています。東大過去問を思い切り昔までさかのぼって確認したい場合には、教学社から出ている『東大の世界史○か年』シリーズや駿台の『東大入試詳解○年世界史』シリーズなどが出ていますので、こちらを用いると良いでしょう。また、ネット上でも「世界史教室」さんなど、過去問や解説が見れるサイトがありますので、そちらからでも良いかと思います。

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(東大第3問解答等一覧[1989-2021]

 

今回の一覧作成にあたっては、手元に『東大の世界史25か年[2]from1985to2009』(教学社)がありますのでそちらと、あとは手元にある最近の東大過去問を見ながら一通り解き直してみました。古い本は取っておくものだわ、かさばるけど。その上で、頻出のものや、高校生に対して聞く設問としてはいささかエグイと思われるものなどをピックアップして色分けしてみました。一覧表を作ってからの確認になるので、一部頻出であるにもかかわらず見逃しているものなどあるかもしれませんが、「あー、これはよぉ出るわw」と思えるものはだいたいチェックしてあるかと思います。(「新大陸産作物のジャガイモ、サツマイモ、トウモロコシ」なんてのはどんだけ好きやねんレベルで出てきます。)

 

全体を比較できるように、上の表は1989年~2021年の33年か年分すべてをまとめてありますが、もしかすると表示が小さくて見にくい部分もあるかと思いますので、以下には198820012002201120122021に細かく分けたものを示しておきます。

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(東大第3問解答等一覧[1989-2001]

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(東大第3問解答等一覧[2002-2011]

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(東大第3問解答等一覧[2012-2021]

 

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【2024.2.16に記事の下段に追記を行いました】

昨日、ブログをお読みいただいている方からエンコミエンダ制とアシエンダ制の区別についてご質問をいただいたので、それについて書いてみたいと思います。こちらの区別は正直専門外ですので、私自身もよく把握していないのですが、とりあえずは高校世界史で紹介されている定義と、私の方で「こういうものかな?」と理解している事柄について書いた上で、「この辺をおさえておけばOK」という点をまとめてみたいと思います。分かりやすくまとめるのが主眼ですので、私自身がイメージしていることについては一部不正確な部分があるかもしれませんが、そのあたりをご理解の上でお読みください。

 

まず、すでにご存じかとは存じますが、エンコミエンダ制とアシエンダ制の高校世界史における基本的な定義は以下のようになっています。

 

エンコミエンダ制

:スペイン王室の認可を受けて、ラテンアメリカに入植したスペイン人植民者が、一定地域の先住民に対するキリスト教化の義務を負う一方で、同地の土地の利用や住民を労働力として使役する権利が認められた制度。

アシエンダ制

:スペイン人大土地所有者が現地人を債務奴隷として労働力とする大農園経営の形態。その地主であり経営者であるスペイン人入植者は現地のインディオの債務者を債務奴隷として家父長的に支配しながら経営した。「世界史の窓」、アシエンダ制より)

 

エンコミエンダの説明は私の方で理解していることを文章にしてみました。アシエンダについての説明は「世界史の窓」さんに書かれていたものを引用させていただきました。ついでに、教科書や参考書に書かれている定義は以下の通りです。(用語集は今手元にないので、後で付け足しておきます。)

 

・『詳説世界史B改訂版』(山川出版社)2016年版

・『新世界史B改訂版』(山川出版社)2017年版

:索引に記載がありません。

 

・『世界史B』(東京書籍)

:スペインの植民地では、17世紀前半から、アシエンダ制とよばれる大土地所有にもとづく農園経営が広がり、大農園主は負債を負った農民(ペオン)を使って、農業や牧畜を営んだ。17世紀半ばから銀の生産が減少に向かって、交易がおとろえると、アシエンダ制はいっそう拡大した。(p.207

:ラテンアメリカ諸国では、19世紀初頭の独立後も大土地所有制(アシエンダ制)が存続し、植民地時代からの階層的な社会構成のもとで、極端な貧富格差と社会的不平等が残った。(p.303


・『詳説世界史研究』(山川出版社)2017年版

:…16世紀末以降エンコミエンダ制にかわってアシエンダ(大農園)制が広がり、スペインの植民地支配は維持された。先住民の減少で不足する労働力を補うためには、アフリカから黒人奴隷が導入された。(P.253

:…マニラ開港とともに、サトウキビ・タバコ・マニラ麻などの輸出向け商品作物生産がさかんになった。こうした商品作物栽培は、商人・高利貸しやスペイン人や修道会による大所有地(アシエンダ)を生み出した。(p.379

 

以上を確認してみると、高校世界史の中で紹介されている両制度の定義の基本的な区別は、エンコミエンダが先住民(インディオ)の強制徴発と半奴隷化によって成り立っているのに対し、アシエンダではインディオにかわる労働力として債務奴隷が用いられたこと。また、その成立の背景から、エンコミエンダが成立するのは基本的にはスペインによる征服時からインディオの人口減少により経営が難しくなり、さらにエンコミエンダに対する批判が強まる16世紀末ごろまでで、アシエンダが成立するのはそれと入れ替わるようにして17世紀以降からだということです。

ただ、私自身もこうした定義、特に「アシエンダとは何か」ということについて、昔はさっぱりイメージがわきませんでした。「エンコミエンダとどこが違うのか」、「そもそもインディオの激減で人口が減ったからアシエンダに変わるのにインディオの債務奴隷って何だ」とか、「債務奴隷ってどうやってできてどういう連中なんだ」とか、「黒人奴隷はどうなるんだ」、などです。

これらの疑問を解決して自分なりに納得するためには、高校世界史で紹介されている定義を離れて、そもそもアシエンダとはどういうものなのかを理解しておく必要があるように思います。そこで、アシエンダについて私なりに理解していることを以下にお示ししたいと思います。厳密には正しくないこともあるかもしれませんが、イメージはしやすくなるように思います。

 

・アシエンダとは、スペイン植民地などで何らかの労働力を用いて経営される大土地所有制のことを言う。

・この場合の労働力は、地域によって様々であり、先住民、黒人奴隷、債務奴隷などが用いられる。多くの場合、奴隷以外の労働力は何らかの形で土地所有者に対して経済的な「負債」を負っており、その対価として労働することになっている。(たとえば、土地を利用するにあたり必要な初期投資を地主に拠出してもらったとか、生活に必要な物資を工面してもらったなど) エンコミエンダとの違いは、エンコミエンダが「王室からの認可」によってその土地の統治を委任されているのに対し、アシエンダの場合は、地主は土地所有者であり、先住民の教化などの義務を負ったり、王室からの認可を(原則)必要とはしない点にある。

・土地の利用の仕方も様々で、商品作物栽培用のプランテーションが経営されることもあれば、その土地の自給自足のために小麦や食肉生産が行われることもあれば、鉱山などが近くにあれば鉱山経営がなされることもあり、そうした大土地経営全てをアシエンダと呼ぶ。(エンコミエンダが富の収奪に主眼が置かれるため、鉱山経営やプランテーション経営に偏りがちなことを考えると、アシエンダの自給自足型土地経営はややエンコミエンダと趣が異なる。)

・概念としては古代ローマにおけるラティフンディアに近く、ただ労働力が奴隷制のみに依存していない点でラティフンディアとは異なる。

・「アシエンダ」という呼称が用いられるかどうかや、その持つ意味も、各地によって異なる。たとえば、メキシコでアシエンダと呼ばれる大土地所有ないし大規模不動産は、アルゼンチンなどではエスタンシアと呼ばれ、このエスタンシアはアルゼンチンでは多くの場合、牛や羊の放牧地として使われる。(代表的な場所が地理などで良く出てくるパンパ。)

・ラテンアメリカに限らず、フィリピンなどのスペイン領植民地でも成立している。

 

だいたいこんな感じが「アシエンダ」のイメージになります。ですから、「アシエンダ制」という名前がついているにもかかわらず、そもそも「制度」ではない気がします。(エンコミエンダは「制」で構わないと思いますが。) イメージしやすくするために、プエルトリコにあるかつてのコーヒー農園だったアシエンダをご紹介しておきます。今ではこうしたアシエンダの一部はリゾート用の宿泊所にもなっているようですね。

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:プエルトリコのアシエンダ[復元] かつてはコーヒー農園で、
労働力として奴隷と地元住民が使役された。
Wikipedia英語版「Hacienda Lealtad」より)

enko2

:罰を受ける奴隷がつながれた場所
Wikipedia英語版「Hacienda Lealtad」より)

また、その利用形態、使われる労働力、利用目的も地域や時期によってバラバラなので、これらを一括して何らかの統一された内容を示す用語として定義すること自体にかなり無理があると思います。より広義の概念を示す用語としてとらえた方がよさそうです。例として適切かはわかりませんが、イメージとしては、日本のものも、ヨーロッパのものも、時代も無視して全部ひっくるめた「荘園」という語のイメージに近いですねw ですから、そもそもエンコミエンダ制と対置できる概念なのかかなり疑問です。

ひと通り見てきましたが、高校世界史でエンコミエンダ制とアシエンダ(制)の両者の区別をするにあたっては、まず「エンコミエンダ制とは何か」をしっかりと理解した上で(エンコミエンダ制の方が定義がはっきりしているので)、以下のことをおさえておくと良いでしょう。

 

・エンコミエンダ制が展開されるのが16世紀であるのに対し、アシエンダ(制)が本格的に展開されるのが17世紀以降であること

・アシエンダ(制)は地域によって様々な形態があるが労働力としては主に負債を負った農民が用いられていること

・アシエンダ(制)はラテンアメリカだけでなく、フィリピンなどのスペイン領植民地でも展開されたこと

【追記(2024.2.16)】
アシエンダ制については「世界史探究」に対応した新しい「世界史用語集」(山川出版社、2023年12月初版発行)に以下の通り新たな記載で紹介されています。

:17世紀以降中南米のスペイン植民地で広まった大農場制。先住民人口の減少で衰退したエンコミエンダ制にかわり普及した。王領地購入などで得た広大な土地で、先住民や黒人奴隷を労働力にカカオ・サトウキビなどの商品作物を栽培した。

多少実態とはずれるところもありそうですが、だいぶすっきりとした文章で紹介されておりますので、少なくとも高校世界史で用いる場合にはこちらの理解で問題なさそうです。今後高校世界史でエンコミエンダとアシエンダの区別をつけたいと思った場合には以下のような区別がポイントになると思います。

エンコミエンダ
・スペイン国王がコンキスタドールに先住民統治を「委託」
・先住民のキリスト教化と引き換えに労働力としての使役を認める

アシエンダ
・王領地の購入などにより土地を「所有」
・労働力は先住民や黒人奴隷など様々

要は、①土地は王領地のままその管理を「委託」するか、土地の所有者として「私有」するかの違いと、②先住民教化の義務を負うか負わないかの違いがポイントになるかと思います。

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いやー、どうなることかと毎日チェックしてましたけど、復活してくれたようです(2022年2月4日現在)。よかった~(汗) 他のものでも調べられないことはないですけど、ちょっとしたこと調べるにはやはりコスパがいいですからねぇ。
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以前の分析から56年ぶりくらいに東大大論述の過去問分析を更新したいと思います。最初に申し上げておきますと、分析をしている私自身がそもそもこうした分析に重きをおいていないので、あまり期待しないでくださいw(受験生が「ヤマをはる」材料としては。逆に、教える立場の人間からするとこういった分析を定期的に行うことはとても重要です。)
 前回の分析でもお話ししましたが、東大の大論述はとてもオーソドックスでかつ非常に良く練られた問題です。また、時代・領域ともに広域にわたり、問題全体を貫く何かしらのテーマが設定されていることが多いです。出題の仕方はいわゆる「正当派」で、奇をてらうといったことはありません。そのため、「ヤマをはる」タイプの対策がたてにくく、正攻法で攻めることが一番の対策となります。ですから、東大の大論述問題分析は参考程度のものにしかなりません。分析に頼って「ヤマをはる」ようなことはせず、自身の学力の地力を上げる方が無難です。東大大論述の特徴については、大筋で前回書いた分析と変わるところはないので、前回のものをごらんください。

東大「世界史」大論述出題傾向①(20161987年:データ編)
東大「世界史」大論述出題傾向②(20161987年:設問内容と対策)

 

 とはいえ、ある程度の傾向を知っておくことは必要でしょう。「どこから何が出るか分からない」とはいえ、仮に「近代史から9、古代史から1」の分量が出題される傾向がある場合に、どの部分もまんべんなく、重箱の隅をつつくようにして学習して覚えるのが効率の悪いやり方であるのは確かですから。極論言っちゃえば『詳説世界史研究』を丸ごと一冊隅から隅まで覚えて消化できていれば、(知識面では)大概の問題には対処できるわけですが、受験生の利用できる時間には限りがありますし、他教科の勉強もありますので、よほどの世界史好きかめちゃくちゃ余裕のある人でもない限り、どの部分を重点的に学習するかや、何を優先するかといったことは意識して学習することになると思います。

 

 今回も、東大が過去に出題した大論述が、どの時代をテーマとしていたのかを示す表を作成しました。設問が「〇〇から△△まで」と対象を明示している場合にはその時代を示してありますが、そうした明示がない場合には出題の意図に照らして妥当だと思われる時代を示しておきました。また、データとして1987年~2021年の35年分、②2002年~2021年の20年分、③2012年~2022年の10年分3つに分け、時代ごとの出題傾向の変遷がつかめるようにしてみました。

時代区分_1987_2021 - コピー

(東大大論述設問が対象とした時代区分の分析:19872021[35年分]

1989年が2色なのは、2題に分かれていたため


時代区分_2002_2021 - コピー
(東大大論述設問が対象とした時代区分の分析:20022021[20年分]


時代区分_2012_2022 - コピー
(東大大論述設問が対象とした時代区分の分析:20122021[10年分]

 

 こちらをご覧いただくと、東大の出題対象が近現代史、中でも18世紀~20世紀に集中しているのがお分かりになるかと思います。また、その傾向はここ10年から20年の方が全体よりも顕著で、古代~中世の出題は回数としてはかなり限られていることがわかります。ただし、直近5年では2017年、2021年に古代~中世が対象に出題されていますので、その点については注意が必要かと思います。また、第二問、第三問で点数を取ることは、大論述で点数を取ること以上に東大世界史では重要で、これらの問題では古代・中世に関わらず非常に広い範囲から出題されていますので、「近現代史をやっておけば何とかなる」という考えは捨てたほうがいいという認識に変わりはありません。

 

 続いて、出題の対象となっているテーマについて分析してみます。下の表は、各年の大問1の大論述の内容を考慮して、「広域(時代・領域)」、「政治」、「経済・交易」、「文化」、「宗教」、「戦争」、「外交」、「民族」など、キーになるテーマごとにどの程度その要素が含まれているかを分析したものです。ただし、ある事柄について「これは政治」、「これは経済」、「これは宗教」などと分けるのは不可能に近いです。たとえば、「一条鞭法」は税制ですが、とらえようによっては政治とも経済とも取れますし、仮に一条鞭法を扱う問題が出題されたときに、この税制が導入される背景となった中国における銀経済の成立や海外からの大量の銀の流入などについても言及しなければならないとすれば、「社会」や「交易」なども含むことになります。ですから、この判断は相対的なものですし、私の主観によるものです。実際、以前に作成した同様の表と比べた場合に全く同じ結果にはなっていません。ただ、ある程度どういう基準で分けているのかを示すために、各分野がどういった内容を想定しているのかについては簡単な一覧を作りました。また、全体の傾向についても以前の分析結果と矛盾するとか違和感があるものではありませんでした。

分野分け基準 - コピー

(分野分けの基準)

以上のような基準で、該当の設問を解く上で必要・関連性が高いと思われる事柄を重要度順に「◎→△→無印」で分け、◎はピンク、○は青によって色分けしてあります。「広域(時代)」は10世紀以上にわたる内容が対象の場合には◎、5世紀~9世紀程度のものには○、2世紀~4世紀程度のものには△、それ以外を無印としました。「広域(領域)」は複数地域間の関係が深く解答作成にかかわる場合や関係が複雑な場合に◎、そのような重要性・複雑性はないものの複数地域にまたがっているものは○、2地域間比較については△としました。また、「比較」のうち「★」のついているものは比較せよという指示が明示されていて、それが設問の主題となっているものです。「字数」は大論述のみの字数であって、東大「世界史」全体の総字数ではありません。また、項目ごとに◎=5点、○=2点、△=1点としてその総点を計算してありますので、だいたいどれくらいの割合でその項目が問題に盛り込まれているかがわかるようにしています。

テーマ1987-2021 - コピー

(テーマ別:1987-2021[35年分]


テーマ2002_2021 - コピー

(テーマ別:2002-2021[20年分]


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(テーマ別:2002-2021[20年分]

この表からは、以前書いた30年分の分析と大きく異なる点はありませんが、以下のことが読み取れました。

 

・ほとんどの設問が広域における各地域の関連性や交流を問う設問になっている。

35年間全体を通して、政治史が圧倒的に多い。

・全体に比して、直近20年の方が「社会」や「経済・交易」の要素が増してきている。

・字数についてはここ9年間600字(ただし、2019年のみ660字)

 

 以上が、過去35年の東大入試におけるデータ分析です。上に示したデータから何を読み取るか、というのは人それぞれだと思いますが、私の方からこうした点に注意したほうがいい、ということをあげるのであれば、5年前の分析と大きな違いはありませんが、以下の内容になります。

 

① 18世紀以降の近現代史(可能であれば16世紀以降の近世、近代、現代史)はもれのないように学習しておくべきです(「古代・中世が必要ない」ということではなく、近現代を重点的にということ)。

 

② 政治・経済史に対する深い理解が東大世界史攻略の基本です。

 

③ どんなテーマでも、2~3世紀程度のスパンでの「タテの流れ」は把握しておくべきです。背景・展開・影響などを中心に、短期の事柄に対する理解で満足せずに大きな流れをつかむことを常に心がけると良いと思います。教科書や参考書などの各章の冒頭などは全体の流れを把握するには役立つかもしれません。また、テーマごとに自分なりのまとめをする作業をしてみましょう。自分でするのが手間であれば、本HPでもテーマ史、地域史などをまとめていく予定でいるので参考にしてください。

 

④ 同時代の各地域の交流、関連事項を常に意識して、ヨコのつながりに注意を払うことが重要です。

 

また、こちらの表から直接は読み取れませんが、最近特に注意すべきこととして「突然の出題形式、傾向の変更に気を付けること」をあげておきます。2019年の問題では、一時的に大論述が660字となりました。また、2020年の問題では、東大には珍しい史料を扱い、それを解答に盛り込ませるスタイルの出題がなされました。2021年にはそうした史料を扱う問題は出ませんでしたが、近年の大学入学共通テストにおける改革などもふまえると、次にいつ同様の問題が出題されるか分かりません。対応できる学力を身につけることはもちろん大切ですが、それ以上にこうした突然の出題形式の変更に戸惑わないように注意する必要があります。(2019年、2020年と、東大にしては珍しい変更が続けて見られたので気をつけておいた方が良いかもしれません。)

 その他、心構えとして持っておくべきことなどについても5年前の分析と大きな違いはありません。詳しくは5年前の東大問題分析をご覧ください。5年分のデータは追加しましたが、東大大論述の出題傾向に大きな変更はなく、ただし近年出題にやや「揺れ」がみられるので、その点にのみ追加で注意が必要、というのが結論になります。

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なんとまさかの「世界史の窓」がこの受験期につながらないという悲報。
調べたところ、私だけではないらしく、ネットに悲しみがあふれていました…。
https://togetter.com/li/1836850
どうも、警告の原因は私の調べた限りではSSL証明書の期限切れっぽいですが、当事者でないのでホンマにそうなのかは分かりません。
https://amsstudio.jp/news/privacy-protection-warning
いずれにしても、あの膨大な量のデータベースが見られないのは大きな損失なので、早く復旧するといいなぁと願っています。


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