以下が、2010年から2021年にかけて、早稲田大学法学部大問5の論述問題として出題された問題のテーマ・字数・時期の一覧になります。
2021_2010法学部論述出題 - コピー
出題傾向等については、過去の出題傾向に関する記事や、各年の過去問解説の方で言及しておりますので、そちらも併せてご覧ください。
前に出題傾向分析を行った時と大きな違いは今のところ見られませんが、気になる点があるとすれば以下の通りです。

 

2019年に珍しく中世をテーマとした設問が出題された

:早稲田では珍しく、この都市は中世をテーマにした設問が出題されました。2010年以降という長いスパンで見れば12年の中で1年だけなので、極めて珍しいと言えますが、過去5年であれば5分の1、過去3年で見れば3分の1ということになりますので、「近現代史以外は決して出ない」とは言えません。以前からあちこちでお話ししている通り、傾向はあくまで傾向であって、絶対にそうなるというものではないので注意が必要です。

 ただし、2019年の問題は中世からの出題ではありましたが、基本的には叙任権などをめぐる聖俗両権の争いという極めて基本的な内容の出題でしたので、過度に気にする必要はないかと思います。

 

2020年の「米墨関係の変遷」は受験生にはややなじみのないテーマであった

:早稲田法学部では、2017年ごろからやや東大チックな、近現代の国際関係を問う出題や、複数の要素を対比し、関係性を問おうとする出題がされ始めていますが、一方でテーマ自体は世界史の王道的テーマが多く、ほとんどの受験生が授業等で深く学習したことがあると思われる設問でしたが、この2020年の問題だけはややそうした傾向とは異質な感じのする出題でした。

 

以上の①・②についてやや気にかかるところではありますが、現状では2019年・2020年の出題がやや浮いている感じがします。全体的な出題傾向については大きな変化はなく、今後も近現代史を中心に国際関係や複数の要素の関係性・変遷を問う設問が出題されると考えて差し支えないのではないでしょうか。